「話す内容はどうでもいい、とまでは言いませんが、あなたの印象を大きく左右するのは、表情や動作、声の性質であることは意識しておきましょう」
1つ、テクニックとして覚えておきたいことに、手の動きがある。話の内容を強調したいとき、また自信をアピールしたいときには、握りこぶしをつくると効果的だ。ただし、多用は危険。ここ一番の手段として覚えておこう。
面接官も、褒められたい
A.なるほど
B.さすがですね
【答え】B
「なるほど」よりも「さすがですね」のほうが、相手をよく知っているうえでのリスペクトを表すので、相手の自己重要感を満たす。「この人わかっているな」と、あなたへの評価も上昇する。
さらに齊藤氏は、相づちの重要さも指摘する。
「面接では、相手の話を受け入れている姿勢を見せることが大切です。うなずくだけではなく、『すばらしい』『そうなんですね』など、積極的に相づちをうったほうがよいでしょう」
とくに面接の場合、「さすがですね」という相づちが効くと言う。
「『すごいですね』もいいのですが、『さすがですね』という相づちは、相手をリスペクトしているからこそ出るフレーズです。人間は誰しも、自己重要感を欲しているんです。『さすがですね』は、相手のそういった欲求を満たします」
そうは言っても、おべっかを使っているように見えるのではないか?と危惧する人もいるかもしれない。しかし、齊藤氏は、褒められる側はそうは取らないと言う。
「人間の褒められたいという欲求って、強いんですよ。それに、業績や新商品、待遇、職場環境など、その会社が努力して出した結果を褒められて、嫌な気持ちになる面接官はいません。この人は我が社のことをよくわかっている、と好印象を持たれるはずです」
また、相づちは、コミュニケーション力のアピールにもなると続ける。
「コミュニケーション力は、話す力と思われがちですが、じつは反応する力が重要なんです。人は自分の話を熱心に聞いてくれる人に、必ず好意を抱きます。極端に思えるかもしれませんが、面接は自分をアピールする場ではなく、面接官の話を聞き、相づちをうつ場だ、と思ったほうが、うまくいく場合も多いと思います」