なぜ、日持ちする「冷凍」ではなく「冷蔵」で送るのか?

本書の特徴は、肉・魚料理からごはん・パスタまで50種類以上のレシピだけでなく、「どのように届けたらいいか」をわかりやすく解説しているところだ。

(1)ペンネなどのショートパスタはのびにくいのでつくりおき向き(2)お湯を注げばみそ汁になる“みそ玉”。粉がつおを混ぜたみそと具を、1杯分ずつラップで茶巾に包む(3)温めて食べる料理は電子レンジ対応の容器に入れるとそのままチンできる(撮影=南雲保夫)

たとえば、料理を入れる「容器」については、意外なことに「使い捨て」のプラスチック容器が推奨されている。捨てるのはもったいない、繰り返しつかえる容器のほうがいいのではないかと思ってしまうが、すべては「親を思いやった」上での選択だ。

「高齢になると体力が落ちて洗い物が面倒になり、洗い残しも多くなる。その点、使い捨てなら衛生的ですし、『洗わなきゃ』『返さなきゃ』という親の負担感が解消されるんです」(林さん)

容器のふたにもポイントがある。ひとつは力がなくても開けやすいこと。そして、もうひとつは「透明タイプ」を選ぶことだ。年をとると一度冷蔵庫に入れたものを忘れやすく、気づいたときには中身はカビだらけ、ということが起こりがちだから。透明のふたなら中身がひと目でわかり、料理が見えることで「食べてみようかな」という気持ちになりやすい。

また保存方法は、日持ちのする「冷凍」よりも、「冷蔵」のほうがいいという。

「冷凍は解凍する手間があり、これは親世代にとってちょっとハードルが高い作業なんです。凍った料理は見た目でおいしさが伝わりにくいですし、冷凍だからすぐ食べなくていいかと放置されることもあります。もちろん、冷蔵はさほど日持ちはしないので、いつまでに食べるかは書いておく。その際、『フタを取ってチン1分』『そのままで』という具合に食べ方もマスキングテープに書いて貼っておくと迷わずに済みます」(林さん)

特におすすめは、ピンポン球状に丸めた「みそ玉」

一方、料理のレシピにも、長年の経験から蓄積された工夫が詰まっている。

たとえば、ハンバーグは「普通サイズ」と「ちょっと食べたいときのミニサイズ」の2タイプにわける。またお好み焼きはおやつ感覚で食べられるように小さめに焼いておく。

特におすすめしたいのが「みそ玉」だ。粉かつおを混ぜた味噌の具をピンポン球状に丸めておく。お湯を注げば味噌汁ができる。いわば手づくりのインスタント食品だ。これに炊き込みご飯をそえれば、朝食や軽めのランチには十分だろう。