「民主化運動は善だ、と決めつけていいのか」

なかでも、タイに亡命して独自の運動を続けたのちに強制送還される男性が、強い印象を残す。著名な活動家が迫害されれば、国際社会から非難の声が上がる。しかし無名の彼らが目立ちすぎたときは、消息不明になって終わりだ。

「民主化運動は善だ、と決めつけていいのか。現代の中国人がそこにはまりこんでいくことは、幸福なのか。当然あるはずの負の側面も、リアルに描けたと思っています」

本書の副題は、「『天安門事件』は再び起きるか」。さて、安田氏の出した答えとは。

安田峰俊
ルポライター
1982年、滋賀県生まれ。立命館大学人文科学研究所客員研究員。広島大学大学院修了。中国やアジア圏を題材に現代社会に鋭く切り込む。