100年後の会社に対して、我々が今できること

──そうした積み重ねが、結果として、会社を変えていくことにつながるということでしょうか。

企業にとって大切なことは継続性です。そこには2つの意味合いがあります。1つは継続的に価値を提供できる能力を持つこと、もう1つは社会の中で価値を提供できる場を社員に提供し続けることです。そうした継続性において、会社に唯一残るものは文化です。100年後の会社に対して、我々が今できることはよりいい文化を創り上げることしかありません。100年先を見据えた継続性を維持するには、常にお客様にとって価値あるものを生み出さなければならない。我々の仕事で大事なことは、単に「売る」という行為ではなく、「NECの価値を買っていただく」という行為なのです。

そのためには顧客満足度に絶対的な責任を持たなければなりません。そうした姿勢こそが、新しい価値を生み出すことにつながっていく。それには社員全員で取り組まなければならない。それが1人ではできない大きな価値を生み出す会社の存在意義だと考えています。

各企業が頭を悩ませるAI人材の確保。NECにはその候補として、1万人近く在籍するシステムエンジニアという「宝の山」がある。これらの要員を中心に、AI事業における中核人材(コンサルタント、データサイエンティスト、開発者・研究者等)の強化を図る。
▼QUESTION
1 生年月日、出生地

1953年11月8日、神奈川県
2 出身高校、出身大学学部
神奈川県立平塚江南高等学校、東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了
3 座右の銘
傾聴
4 最近読んだ本
『アダム・スミス 自由主義とは何か』水田 洋
5 尊敬する人
人間社会に貢献される努力をされている方々すべて
6 私の健康法
おしゃべり、笑う、歩く
遠藤信博(えんどう・のぶひろ)
NEC 代表取締役会長
1981年NEC入社。モバイルワイヤレス事業部長、執行役員兼モバイルネットワーク事業本部長などを経て、2009年、取締役執行役員常務。10年、代表取締役執行役員社長に就任。最年少取締役から15人抜きでの抜擢が話題となる。16年4月より現職。
(構成=國貞文隆 撮影=門間新弥)
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