「壁紙のはがれ」や「網戸のほつれ」を放置してはいないだろうか。そのままにすれば、あとで大きな費用がかかる。おすすめは、専門業者に修繕を頼むまえに、自分でメンテナンスすることだ。費用はグッとおさえられ、なにより気軽だ。修理のプロでありDIYの達人である西沢正和氏が、身のまわりのものを自分で安く修理する方法を解説する――。

※本稿は、西沢正和監修『自分で直せば断然お得!身のまわりの修理の教科書』の一部を再編集したものです。修理業者に依頼した場合と、自分で修理した場合にかかる費用を紹介していますが、あくまで金額は目安であり、依頼する業者や購入する材料、購入する店舗などによって実際の費用は異なります。

築20年経てば、メンテナンスする箇所は増えてくる

だいたいどの家も、築20年経つと、次から次へとガタがくるものです。屋根の防水工事など、どうしてもプロに頼んで修繕しなくてはいけない箇所はありますが、ちょっとした壁紙のはがれや玄関まわりなど、道具さえあれば、意外と簡単に直すことができますよ。

壁紙は湿気が多いと伸び、少ないと縮みます。そのまま放っておくと、はがれた部分が広がり、そこにほこりもたまって、壁そのものが傷んでしまいます。素人が手に負えない状況に陥る前に、壁紙用接着剤などで補修することが大切です。

業者にお願いすると、「一部だけ修繕して」というお願いはできないことが多いでしょう。壁一面張り替えて、2万5000円ほどかかります。でも、自分で部分補修を行えば約1400円と、20分の1強の値段で壁全体の傷みを未然に防ぐこともできます。

網戸は穴が開いてしまうと虫が入ってきますし、外からもよく見えるところにあるため、家全体の景観も損ないます。こちらも業者に頼んで全体を張り替えると、1枚約6000円と痛い出費になります。しかし小さい穴なら、網戸専用の補修シートを貼れば、自分で簡単に直せます。古くなった押さえゴムも同時に交換すると、網戸が長持ちするのでお勧めです。

水まわりでは、ハンドルからの水漏れも、意外に簡単に直せます。長年蛇口を使っていると、ハンドルから水が漏れだすことがあります。これは、蛇口の中にあるナットの三角パッキンの劣化が原因です。業者に修理をお願いすれば5000円ほどかかりますが、ウォーターポンププライヤーとドライバーを使って自分で新しい三角パッキンに交換すれば、約130円ほどで直せるので、お得です。