財務諸表が読めればニュースの裏側も見える

さきほど貸借対照表の基本中の基本を説明しましたが、財務諸表が少し読めれば、ニュースの裏側も見えてきます。

たとえば、武田薬品工業は今年5月、アイルランドの製薬大手シャイアーを約6兆8000億円で買収することを発表しましたが、同社の貸借対照表などが分かれば見通せることがあります。

武田薬品の貸借対照表の左側の「資産」(「流動資産」「固定資産」など会社の全ての資産を合算したもの)が2018年3月期の時点で約4兆1000億円あります。また、営業利益を2400億円余り稼いでいます。

しかし、現在の資産規模を大きく超える6.8兆円の買収を行うということは、資金を貸借対照表の右側の「負債」(借り入れ)か純資産でまかなうわけですから、買収後にかなり稼がないとこの買収は賄えないということが比較的容易に理解できます。

このようにして会計の基本である基本的な「規則」を理解した上で、興味のある企業の賃借対照表など財務諸表を3年分ほど見て、その数値と傾向を知ると、それだけでビジネスパーソンとして格がひとつ上がるのではないでしょうか。

(写真=iStock.com)
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