【Before】

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(1)通り一遍のお詫びという印象を受ける。相手は自分の意見を正確に理解したうえでのお詫びかどうか、不安を抱きかねない。

(2)対応策を具体的に示すべき。そのためには、苦情の原因を明らかにすること。相手の苦情に根拠がない場合もある。責任の所在を明らかにするためにも、原因究明が欠かせない。

(3)自社の行動指針をあげたところできれいごと。単なる言い訳と受け止められかねない。

(4)原因が明らかになっていない段階で、補償問題をもち出しては、法外な賠償を求められる可能性もある。お詫びと補償は切り離して考えるべき。

【After】

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(1)まずは相手の声に耳を傾ける…相手の話を聞いたうえで、説明、理解を得ることがトラブル回避の第一歩だ。家づくりでトラブルになりやすいのは、お客様の声を聞いても、設計士が知識で押さえ込んでしまうケース。お客様の夢を丁寧に聞くことが信頼の構築につながる。

(2)1%でもこちらに非があれば詫びる…意図せず、結果としてお客様に迷惑をかけてしまうことがある。1%でもこちらに非があるのなら、まずはお詫びするのが鉄則。ただし、自分に非がまったくない場合は、法廷行きも辞さずに徹底して戦うべきだ。

(3)原因を徹底的に究明する…トラブルの原因を理解し、自分自身が納得したうえでお詫びにあたらなければ、相手に誠意は伝わらない。そのためにも原因は徹底究明する。

(4)相手とともに解決を図る…目の前で判断できず、持ち帰って上司の判断を仰ぐようでは、相手の怒りはさらに大きくなりかねない。権限ある人が応対し、臨機応変に判断しつつ、相手とともに問題解決を図る姿勢が、関係修復へのきっかけとなる。

(奥村 森=撮影 西川修一=構成 内林大士=事例作成)