もう1つアドバイスするなら「差し入れ」を上手く使うこと。差し入れは贈答ゆえ、価格を問わず損金不算入の交際費となるが、最近は差し入れ文化のほうが幅広い世代に受け入れられやすい。○○様からです、とメモがあればより多くの人に社名を知ってもらえる。飲食物なら数千円以内に収まるものがほとんどだし、少額の出費で相手先と良好な関係が築ければ、上司からもいい評価が得られる。
差し入れにもちょっとした気づかいが必要だ。例えば、包丁や皿が必要な菓子などは取り分けにひと手間かかるので、小分けしてあり、賞味期限が長めのもののほうが相手には喜ばれる。起業した会社への差し入れなら、引っ越し等を考慮し実利的なものがベスト。起業して間もない頃は足りないものが多々あるからだ。家電量販店の商品券やカタログギフトがいいだろう。
「差し入れのセンス=その人の気づかいや仕事のセンス」と思っている人も多い。じんわりと接待の効果は表れるのである。双方の会社と自分の“三方よし”となる接待費の使い方を工夫してみる価値はあろう。
(構成=篠原克周 撮影=石橋素幸、束田勝広 写真=PIXTA)