健康に無頓着な人は、自分の存在価値を失う
そもそも、稼げる男と稼げない男では健康に対する「考え方」に大きな違いがあると水野氏は話す。
「稼げない男にとって健康は消費するもので、病気になれば病院に行くという『CURE(治療)』の考え方です。マイナスになった状態を、治療でプラスマイナスゼロにするというもの。一方、稼げる男は、常に『健康』な状態を維持しようとし、そこから『より健康』な状態にするために健康へ投資をする『CARE(予防)』というプラスの考え方をします」
では、稼げる男が健康マネジメントを行う理由はなんなのか。
「スポーツ選手と一緒です。健康であることが、成果を上げるうえで一番効率がいいからです。いくら高いモチベーションやビジネススキルがあったとしても、それを支える土台の健康が地盤沈下をしていては、パフォーマンスを発揮することはできません。それを理解しているからこそ、稼げる男は健康マネジメントを重視しているのです」(水野氏)
小宮氏も「大成している経営者の中には、40代、50代の節目でお酒を控える人がいます。これも体調管理の大切さを知っているからでしょう。お酒についてはもちろん、百薬の長という考え方もありますが、それで二日酔いをしているうちは、出世したり大きく稼ぐ人にはなれません」と断言する。
とくにビジネスパーソンの場合は、休んでも組織がカバーしてくれるため、「自分がいなくても」という甘えた感覚におちいりやすいのだという。小宮氏が続ける。
「これでは責任感が足りないと言われますし、仕事で存在感を発揮することができません。健康に無頓着な人には、自分がいなくなっても誰も困らないと自分の存在意義を軽視しているタイプが多い。ビジネスパーソンに必要な基本的な能力は2つで、思考力と行動力。両方とも維持しようとするならば体調管理は重要になります」
肥満で、健康管理のできない人は、仕事でいい結果を残せず、ますます存在価値を失うことになる。
小宮一慶(こみや・かずよし)
経営コンサルタント
1996年に小宮コンサルタンツを設立し、代表取締役会長CEOに。経営、会計、経済、仕事術から人生論まで著書は130冊を数え、累計発行部数は360万部を超える。
水野雅浩(みずの・まさひろ)
ビジネスマンの健康マネジメントスクール代表
予防医学の専門家。企業、大学、医療従事者向けの講演多数。著書に『「稼げる男」と「稼げない男」の健康マネジメント』などがある。