「体」を底上げして、稼ぎ続ける男になる
「財界団体の幹部や都市銀行の頭取の人たちを見るとわかりますが、肥満の人はほとんどいません。『土光臨調』で知られる元日本経団連会長だった土光敏夫氏は、“メザシの土光さん”と言われるほど食生活は質素で、自己管理を徹底した典型と言えるでしょう」と財界を20年間ウオッチしてきた全国紙の経済部記者は話す。
それでは仕事で成果を出し、稼げる男になるにはどうしたらいいのか。「肥満解消を含めまずは健康から」と話すのは、経営コンサルタントの小宮一慶氏だ。
「体はすべての根本です。体調が悪ければ精神状態も悪くなり、集中力を発揮することもできません。そうなると仕事で正しい決断ができず、望ましい結果は残せません。いい仕事をしようと心がけている人は、必然的に体調管理に気を配るようになります。成功している人は日々の暮らしに気を使い、体調維持のための環境を整え、自己管理を徹底しているのも特徴的です。ほんとうのお金持ちには一見質素な生活をしている人が多いのですが、それでも健康的な生活のためにはきちんとお金と気を使っているものです」
肥満の最も大きな問題は健康を害する可能性があることだ。「高血圧になりやすい、血糖値が上がりやすい、そして脂質の異常という体質の半分は生活習慣が招く」と言われている。つまり、「病気の半分は努力で避けられる」ということだ。
「ビジネスマンの健康マネジメントスクール」代表の水野雅浩氏は、「仕事で成果を出すには『心・技・体』という3つの要素が必要です。というのも日本のビジネスパーソンの多くは『心・技』、つまりモチベーションやビジネススキルなどの向上にまじめに励むので高い水準にあるものの、健康を犠牲にして仕事をしてしまう傾向にある」と指摘し、こう話を続ける。
「土台にあたる『体』が不安定だと仕事のパフォーマンスが落ち、お客さんや同僚にも迷惑をかけて、『稼げる男』にはなれない悪循環におちいります。それを避けるためには、『体』を底上げして『稼ぎ続けられる』男になる必要があります」
たとえば、食事をするときに健康を気にしない人は、一時の欲望で食べたいものを食べてしまいがちだ。しかし、稼げる男は「食事によって体がつくられる」ことを理解しており、たっぷり野菜をとったり、和食を食べるなど栄養バランスのいい食事を心がけているという。