コミュニケーションが取れている「ふり」をする
欠けているのは、「対話」だ。その仕事が、会社の事業の中でどんな役割を担っているのか、社会にどんなインパクトを与えているのかという、社会的意義や文脈を、時間をかけて丁寧に伝えていく必要がある。「君は全体像の中で、重要な役割を担っている」「君がこの仕事をすると、こんな人がこうして喜ぶ」という、本人を主語・主役にしたストーリーを創り出すのだ。
今の若手は摩擦や軋轢を避けようとするので、上司との関係性が冷えていてもコミュニケーションが取れている「ふり」をする。だからいきなり対話を行うと、無理をしているのが伝わり、若手には「痛い上司」に見えてしまうかもしれない。このため対話する際は、いきいきと働いていて若手とのクッション役になってくれる中堅社員を仲間に引き入れるといいだろう。
指示待ち若手社員がいても、求められるままに細かい指示を出していれば、目の前の仕事は回る。しかし、放置すると、本人も成長しないし、将来は会社が指示待ち社員だらけになってしまう。「緊急度は低いが、重要な経営課題」として、マネジャーは地道に取り組む必要があるだろう。
▼対処法
指示待ち社員を主語にしたストーリーを創って語る
指示待ち社員を主語にしたストーリーを創って語る
(構成=大井明子 写真=iStock.com)