時間はどんな人にも平等に与えられている。「名リーダー」と呼ばれる人たちは、その時間を最大限に有効活用することで、成果を残してきた。彼らはなにを優先して日々すごしているのか。三者三様の考え方を紹介しよう。第3回はカヤックの柳澤大輔CEOだ――。(全3回)

※本稿は「プレジデント」(2018年1月29日号)の特集「24時間の使い方」の掲載記事を再編集したものです。

ハンドルは小刻みに動かし続けよ

私は仕事中のサボりを奨励しています。仕事中にサボるなんて、とんでもないと思う人が多いのではないでしょうか。社内では「サボり方研修」も行っています。サボりこそがクリエーティブな発想を生む源泉であり、一流のサボり方を身につけてほしいと考えるからです。

カヤックCEO 柳澤大輔氏

ただサボるより、サボりながら何か作業をしたほうがいい。実際の研究結果でも、ただ休憩するより、休憩中にどうでもいい作業をするほうが、クリエーティビティが発揮されることがわかっています。

私もただボケッとすることはあまりありません。サボるときは、いつも何かしら動くようにしています。

高校時代に自動車部に所属し、運転の正確さを競う「フィギュア」という競技を行っていました。それを通じて、まっすぐ走るためにはハンドルを固定するのではなく、小刻みに動かすほうがいいという知見を得ました。仕事にも通じるところがあります。面白いものを追求するには、貧乏ゆすりでも何でもいいので、動き続けたほうがいいのです。

気持ちよくサボるために、ストレスを生むようなルールはなくし、アイデアが生まれるような仕組みづくりも心がけています。

自動車を指定した場所にピタリと止めろと言われるとプレッシャーがかかりますが、この辺に止めればいいと言われれば気持ちが楽になり、かえってよい結果が得られます。それと同様に、毎朝9時半までに出社するのはストレスになりますが、9時半ごろに出社すればいいとなれば気持ちが和らぎます。