JR大宮駅で無人レジの実証実験
2017年11月、JR東日本は大宮駅でサインポストが開発したAI搭載の無人レジ「スーパーワンダーレジ」を活用した無人店舗の実証実験を行った。おにぎりや飲料、菓子など約130種類の商品を置き、一般客も利用できる。1日で約2000組の客が訪れた。
入り口ゲートで、まず「Suica」などのICカードをかざして入店。店内には天井と商品棚にカメラが設置されている。商品棚から商品を取ると、棚に設置されたカメラが何を何個買ったか認識し、天井カメラはどの客が買ったのかを認識する。
仮にポケットに商品を入れても、カメラとAIが購入を確認しており、万引きにはならない。そのまま出口に行くと自動的にディスプレイに購入した商品名と合計金額が表示されるので、確認後、ICカードで決済すれば完了だ。商品を手に取った時点で計算されているので、レジ待ちをする必要がない。この実証実験を見つめていたサインポストの蒲原寧社長(52歳)は、うれしそうにこう語る。
「ある4人家族のお客様が利用されるのを見ていると、そのお子さんがまるでディズニーランドのアトラクションに乗るのを待っているかのようにニコニコと買い物を楽しんでいました。その光景に僕自身が感動してしまいました。ショッピングでレジ待ちをする苦痛はなくなるし、買い物に楽しさを提供できたかなあと喜んでいます」
サインポストの本業は、金融や行政機関向けのITに関わるコンサルティングとソリューション事業だ。創業が2007年で、10年後の2017年11月には東証マザーズに上場し、社員95人、売上高27億円(2017年度)と成長を続けている。
なぜ、コンサルとソリューションの会社が無人レジを作ったのか。
「私たちはお客様の一員として課題を解決することをポリシーとしており、ただコンサルティングするだけではありません。基本的には世の中にないものを発明し、『孫の代まで豊かな日本を創る』一翼を担いたいと思っており、無人レジは人手不足という社会問題を解決するソリューションの一つで、私の中では、やっていることは同じです」