相手から聞かれたことは、そのまま聞き返してあげる

これは鉄則ですが、「人に聞くことは自分が聞かれたいこと」なんです。たとえば相手が「ゴルフをしますか?」と聞いてくるのは、その人がゴルフに興味があるから。もっと言うと、自分が話したいからなんです。なのにカン違いして、聞かれたからと延々とゴルフのことを話してしまうと、相手にしたら面白くないわけです。だから、相手から聞かれたことは、そのまま相手に聞き返してあげればいい。「私はほとんどやりませんが、○○さんはお好きですか?」といった感じで、相手から聞かれたことについて、どんどん質問したらいいんです。

よくいるのが、相手が謙遜したのを真に受けて、それ以上突っ込まない人。それはもったいないです。そもそも最初から自慢する人なんていませんよね。ですから、相手が謙遜してきたら「この人は自慢したいんだな」と察知して、「40代で部長って、やっぱり早くないですか?」「若い頃にヒット作を手掛けたんですか?」といったふうにどんどん深掘りしてあげるべきです。もし「ヒットなんて特に……」と謙遜されたら、「いや~、絶対あるでしょう」とダメ押しして深掘ってあげると、必ず自慢の種が出てきます。相手も嫌な思いはしませんから、どんどん深掘っちゃっていいと思いますよ。

謙遜はレシーブですから、すかさずこちらが深堀りというトスを上げれば、自慢という強烈なアタックが返ってくるはず。そうなれば、あとは相手の華やかなストーリーが展開されていくことでしょう。ドラマはドラマでも壮大な大河ドラマが待っていますから、場はかなり持つと思います。

年齢の話もそう。もし女性のほうから年齢の話が出たら、「若い」と言ってほしい合図だと捉えるべき。自分の年齢を伝えた後は余計なことは一切言わず、「本当に失礼ですが」と前置きして年齢を聞き、「そんなふうには見えない!」と驚きながら言えばいいんです。その後は「○○世代ですか?」とか「学生時代はどのへんで遊んでたんですか?」みたいな話に持っていくことができ、会社員同士の仕事上の関係ではなく、個人的な関係を深めていくことができます。