セクハラ・パワハラ「告発」の背後にあるもの

ここはすさまじい権力闘争で、組織マネジメントに失敗した外部人材は、組織から放り出される。スキャンダルをリークされて、組織に居られなくなる。確かに建前論だとそれはアウトだろうけど、そんなことは組織内で結構行われていることでしょ、というスキャンダルのリークもいくつもあったね。こういうときに使われるのがだいたいセクハラ・パワハラスキャンダルなんだ。

表の建前論でセクハラやパワハラでアウトになるなら、確かにそれについて言い訳はできない。でも組織内の人間で、これからまだ何年も組織に残るような人物の場合には、その程度のセクハラ・パワハラで告発・リークはされないんだよね。

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確かに外部人材の指示命令に組織が従わない場合がある。僕の指示命令にだって従わないときがある。露骨に抵抗するのではなく、サボタージュ。忘れていたフリをするというのが多いね。

こういうときに組織を動かしたことのない外部人材は部下を怒鳴っちゃうんだよね。それも激しく、脅しともとられてしまうようなやり方で。業務指示もかなり無茶なものになっていく。そして最後は組織からパワハラ告発されて失脚させられた外部人材も多かった。

組織が指示に従わないときは、まずは部下や組織ときちんと議論した上で、それでも言うことを聞かないというのであれば、さっと人事権の行使で人を入れ替えてしまえばいいだけなんだ。人事権の行使ほど、組織をピシっとさせるものはない。組織を動かせない人って、結局人事権の行使がうまくできない人だよね。

部下を怒鳴る必要はない。部下に罵声を浴びせる必要はない。静かに人事権を行使する。これが組織には一番効くんだよね。もちろんまず議論をすることが前提だけど。

(略)

組織に乗り込む外部人材は、セクハラ告発されないように、細心の注意が必要である。今まで属していた組織ではセクハラにはならないようなことでも、外部人材として組織に乗り込んで、いざ権力闘争になれば、セクハラ告発されて負けるようなことが多々ある。これくらいは大丈夫だろうという油断が大敵だ。そして組織にパワハラ告発されないよう、静かに人事権を行使して組織を動かしていくしたたかさが外部人材には必要だ。

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※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.87(1月16日配信)を一部抜粋し簡略にまとめ直したものです。もっと読みたい方は、メールマガジンで! 今号は《【待ったなし大相撲改革(2)】権力闘争に耐えられるしたたかな「第三者」を登用せよ》特集です!!

(写真=iStock.com)
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