子育てに苦しむ母へ「横で比べず、縦で比べよ」

私はこの発言の意味を、「自分を信じているから、自分が育てた子の選択も無条件に信じられる」ということだと理解した。自分自身への信頼から母子の信頼関係が生まれ、子どもの自立を促すことになるのだろう。

しかし、ふだんから「人生を楽しめていない母」は自分だけでなくわが子を信じる気持ちが足りないため、子どもに何らかの問題が発覚するや否や、その不安をいつまでも抱え込んで、子どものやることなすことすべてに口出しをする。良かれ、と思って。

こういうタイプの母は、子どもに執着するのをやめ、まずは自分の好きなことを見つけて、人生を楽しむことだ。不安を数える時間を減らし、自分の人生を充実させる。そうすれば、おのずと子育てにもポジティブに向き合えるはずだ。

▼他の子と比較して、一喜一憂しない

以上、5つの特徴は、母自身の「不安神経症」が原因になっているように感じるが、彼女たちが一方的に悪いわけではない。

前述したとおり、わが国は子育てのしにくい環境にある。真面目な母ほど、子育てをしているうちに追い詰められてしまう。そうして子育てに苦しんでいる母には、以下のことを強くお勧めしたい。

「横で比べず、縦で比べよ」

これは私が尊敬する、ある中高一貫校の校長先生からうかがった言葉だ。この言葉には次のような意味がある。

「もし、子育てで悩んだら、お母さんはわが子を偏差値、成績、運動神経、体格……。そういう同級生やら、ご近所やら年齢やらの『横』と比べずに、去年と今年のわが子、3カ月前と今のわが子、昨日と今日のわが子というように、わが子自身の『縦』の成長で比べなさい」

わが子のことだけを考えているはずなのに、同時に「横」が気になると、その瞬間にわが子の「縦」を見失う。これは母自身にも言えることで、子どもの成長を焦る前に、自身の成長を縦で比べてみよう。自分の縦をしっかりとコントロールすることが、子育ての迷宮に入り込まないカギになるはずだ。

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