子どもをダメにする「迷宮母」の共通点5
▼迷宮母の特徴1:「自分が果たせなかった事柄の理想探求母」
例えば、大学に行きたかったのに「女に学問は不要」との親の圧力で進学を断念した母。良かれと思い、子どもを小さいうちから塾に通わせるなどしたが、そうした教育熱心さが空回りし、最終的には「進学(偏差値)至上主義」に走る。このタイプは子どもの気持ちを理解せず、自分本位に「良かれ、良かれ」と物事をすすめて行く。それが、うまく軌道に乗るケースもあるが、うまくいかないと、理想の学歴を手にできないだけでなく、母子関係も悪化してしまう。
また、過去に「仲間外れになった」というつらい体験を持つ母の場合は、わが子が「誰からも好かれる人気者」になることを渇望することがある。こうした母には、「わが子の友人の数を異様に気にしてしまう」といった共通点がある。
「自分が果たせなかった事柄」を、わが子を通じて“リベンジ”することは間違っている。わが子と自分は別人格。「子どもには子どもの人生」ということを強く認識することが解決の第一歩となる。
▼迷宮母の特徴2:「未来を恐れる悲観主義母」
自身の親がしつけに厳しかった。あるいは、「100点を取ってえらいね」を筆頭とする「条件付きの愛」(満点でないと怒られる)を示す親だった――。そうした子ども時代の体験がトラウマとなり、わが子が“失敗”することを過剰に恐れる母がいる。
わが子が失敗していない段階から、「失敗したらどうしよう?」との思いにとらわれてしまうため、失敗とも言えないような小さなミスでも声高に叱る。これも子どもに失敗させたくないという「良かれ、良かれ」の“親心”ではあるが、子どもは次第に萎縮し、自分から何かをやろうという気持ちを失う。
また、普通であれば幸せに感じるようなことが起きたとしても、逆に、これからとてつもなく悪いことが起こる気がして、今を楽しめないという母もいる。このタイプは「今の幸せ」を享受するよりも先に「未来の不幸」を避ける準備に余念がない。
例えば、「子が不登校」という問題を抱えた場合に、わが子に登校を強要するケースなどがそれに当たる。これはわが子の「今現在」をサポートするのではなく、わが子の「未来の不幸」をどうすれば避けられるかと考え、子どもが学校にさえ行けば問題解決だと思い込んでしまうのだ。
子どもは母の不安を解消する道具ではない。もし、未来を暗く考えてしまったときには、いったん、その思考から離れよう。「今日、一日を笑顔で過ごす」。その繰り返しが明るい未来をかなえてくれることにまず気付こう。