リアクション(反応)は少し大きめに

あと、営業マンに必須の笑いのスキルは表情とリアクションです。緊張しているせいかお客さんに値段のことでツッコまれたり、値切られたりすると引きつった硬い表情で「それは厳しいです」と言ってしまう営業マンをたまに見ますが、お客さんも言うだけ言ってみようという人も多いので、こちらもマジに返すより、笑顔で「うわぁ~、そこですか~。厳しいな~! ハハハ」と笑いながら言えばいいのです。

ついついシビアな話には真顔になったり、声のトーンが下がったりしがちですが、それは逆効果で、陰は陽で返すことをお勧めします。私はこれで何度も厳しいシーンを乗り切りました。

笑いは生まれ持ったセンスだと思う方も多いでしょう。しかし一般の方がコミュニケーションを円滑にする目的であれば、笑いにはスキルの部分がたくさんあります。簡単に言うと、練習すれば誰にでも身に付くということです。ただ、テクニックだけでは身に付かないのが笑いのスキルです。

人を笑わすということは要らないプライドを捨てる、つまり「格好つけない」というメンタルが重要です。緊張しているのは自分だけではなく、お客さんも緊張しているのだということを忘れてはいけません。相手のためにまず自分から心を開き、親近感を出せばお客さんも少しずつ心を開いてくれるのです。

その表現の方法として、表情は柔らかく、リアクション(反応)は少し大きめに出すことです。もしあなたが、トップ営業マンになりたいのであれば、笑いのスキルは大いに助けになるでしょう。なんせ、笑いのあるところに必ず福が来るからです。

殿村政明
ヒューマンコメディックス代表取締役。吉本興業のタレントを経て営業マン・起業家に。「笑い」のメカニズムを科学し、教育プログラムを開発。
 
(構成=野崎稚恵 撮影=ミヤジシンゴ)
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