新人指導で使ったお局様の名演技

このほかにも、言葉で後輩の不正を正しているところを見たと話してくれたのは大手自動車メーカーの工場に勤務する大井初絵さん(仮名・38歳)。“お局様”と呼ばれている50歳の先輩が、仕事をまったく覚える気のない新人にじわじわとダメージを与えるところを目撃したという。

6月、その新入社員の女性が“お局様”が勤める工場に配属になった。新人ちゃんは自分が有名国立大学出身なことを自己紹介でも強調し、ほかの女性に対してマウンティングしていました。一方で、男性と話すときには声をワントーン上げるぶりっ子キャラ。すぐに工場長をはじめとした上層部にも気に入られたという。

「お局様は『仕事もろくに覚える気もないのに処世術だけ長けちゃって』とメラメラと“お仕置き欲”が生じたようです。まずは、メールだけ送って細かい調整をしない態度を改めようと攻撃に出た」と大井さんは語る。

「新人ちゃんが会議開催のメールを送っても、直接伝えるまで一切出席しない。新人ちゃんがメールで送りましたよね?と聞くと、『メールは届いていない』『ファイルの開き方がわからない』などと言って連絡を無視したんです」

大人気ない手法ではあるが、トラブルが起きると、伝達しなかったほうが悪いと新人ちゃんが責められることに。新人ちゃんはメールを一方的に送るだけでなく、きちんとお局様などの先輩と直接コミュニケーションをとるようになったという。

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