事前申請が必要な点に注意

住まいに関する補助金はほかにも多数あって、ユニークなものとして「緑化」に関するものが目を引きます。環境対策に力を入れる自治体が多く、品川区は戸建て住宅のブロック塀を生け垣にすると、既存塀の撤去費のほか、生け垣・植栽などの費用の一部を補助してくれます。マンションのベランダに置いたプランターでの緑化も対象になっていますので、ガーデニング好きの方などは活用してはいかがでしょうか。

転入や転居を助成する自治体も多くあります。特に子育て世帯を対象にしたものが充実しており、新宿区では区の内外から区内の民間賃貸住宅に移り住む場合、礼金・仲介手数料の合計で最大36万円を補助。引っ越し代も実費で最大20万円を助成してくれます(子育てファミリー世帯居住支援)。ただし平成29年度の募集数は予定数に達しているため、いま(2018年1月19日現在)はキャンセル待ちの状態です。

豊島区は区内に転入してきた子育て世帯向けに家賃助成制度を設け、15歳以下の児童が1人いる世帯で、転入後の家賃と基準家賃との差額の一部として最大月額1万5000円を補助してくれます。一方、神戸市には、特定優良賃貸住宅に新たに入居する子育て世帯向けに、月額1万円上限の家賃補助があります。

最後に注意点を1つ。これは多くの助成金に共通しますが、特に住まい関連では事前申請が必要な場合が多いことです。改修工事などを行った後では、お金が出ないケースがほとんどです。工事をする前に必ず役所に問い合わせをしましょう。

Answer:内窓設置などのエコリフォームで最大30万円をゲット

井戸美枝(いど・みえ)
社会保険労務でファイナンシャル・プランナーの資格も。お金との付き合い方を得意とし、『知らないと損をする 国からもらえるお金の本』をはじめ著書多数。
 
( 構成=田之上 信 撮影=宇佐見利明)
【関連記事】
「申請しないと貰えないお金」一覧
どっちがお得?「住まいの支出」徹底比較6
住宅ローン"借り換え"でトクする人の条件
相続した"幽霊屋敷"を売りやすくする方法
住宅選びで絶対に"賃貸"にすべき人の条件