低所得者の死亡率は高所得者より3倍高い――。2016年に放送されたNHKスペシャル「健康格差」では、この問題を取り上げ、世界各地での「打開策」を紹介した。番組の書籍化にちなみ、プレジデントオンラインでは『健康格差』(講談社現代新書)の第3章を特別公開する。脳卒中を激減させたというイギリスと、健康寿命が23区で最短レベルという足立区の取り組みとは――。
▼現代新書×WEBメディア7媒体
『健康格差 あなたの寿命は社会が決める』全文公開プロジェクト

「低所得者の死亡率は高所得者の3倍高い」といった驚きの格差について伝えるとともに、健康寿命を伸ばすための自治体の取り組みなどについて紹介している本書。
 この「健康格差」の問題をより多くの読者に知ってほしいという著者の強い思いを受け、その問題意識に共感くださったWebメディア6社(日経ビジネス、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンライン、東洋経済オンライン、ビジネスインサイダージャパン、ハフポスト 順不同)に、出版社メディアの垣根を越えてご協力いただき、現代ビジネスを含めた計7媒体合同で本書の全文公開を行うことを決めました。(講談社現代新書編集部)

第3章 イギリスの国家的対策と足立区の挑戦

 

第1では「雇用形態」と「所得」「家族構成」が、すべての世代にもたらす「健康格差」について、第2章では「地域」がもたらす「健康格差」について現場の実情を掘り下げてきた。本章からはどうすれば解消できるのか、実践例をふまえて考えていく。

NHKスペシャル取材班『健康格差 あなたの寿命は社会が決める』(講談社現代新書)

「健康格差」は、長い時間を経て蓄積されるので、抜本的な解決は容易ではないが、実は成果をあげている国や地域、自治体、行政などがある。一体どのようにして「健康格差」を縮めたのか。