女性社員が夜ではなく「昼」を好む本当の理由

私がまだ会社勤めをしていたとき、他の部署に比べて仕事がきつくて、スタッフに不満が溜まっていたことがありました。すると上司は部下たちのがんばりに感謝して、毎月1度、全員をホテルのランチに連れていってくれたのです。それは上司からの感謝の気持ちの表明であり、私もうれしかったし、女性社員もみんな喜んでいました。

写真=iStock.com/MATJAZ SLANIC

夜ではなく昼に場を設けたことに注目してください。男性はだいたい夜の宴会を好みますが、女性社員には楽しいとはいいきれません。子供の世話など家庭の時間との調整が必要ですし、そのうえ酔っ払った上司や男性たちのケアをしなくてはいけないこともあるからです。女性を対象にするなら、昼の食事会のほうがいいのです。

産休・育休が関係する場合、苦情を訴える女性は「私は結婚していないから産休もない。それなのになぜ私が苦労するのか」という、割り切れない思いを抱いているかもしれません。といっても、簡単に解決できる問題ではありません。上司にできるのは、その感情を受け止めてあげることくらいです。

そういうときは、オフィスとは違う場所で話を聞いてあげるのもひとつの方法。場所を変えることで「特別扱い」の感覚が生まれます。後はひたすら話を聞いて共感を示し、「結婚していない人に報いるため、どんな制度があればいいと思う?」といった質問で、本人にアイデアを出してもらいます。十分に聞いたら、「いい話を聞かせてくれてありがとう。人事にも話してみるよ」と締めくくります。その件が実現するかどうかはともかく、「有益な話」と評価することで、話した女性も救われた気持ちになるはずです。

本田有明●人事教育コンサルタント
本田コンサルタント事務所代表。1952年、神戸市生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、日本能率協会勤務を経て96年独立。コンサルティングや講演、執筆で活躍。『結果主義のリーダーはなぜ失敗するのか』など著書多数。
 
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(構成=久保田正志 撮影=永井 浩 写真=iStock.com)