「部長、ちょっといいですか?」。思いつめた顔で女性の部下が訴えてきたらどうするか。5つのテーマにあわせて、落ち着いて対処するためのマニュアルを紹介しよう。第3回のテーマは「同僚の手抜き追求」――。(全5回)
※本稿は、「プレジデント」(2017年10月30日号)の特集記事「女子社員からの怒りのクレーム 緊急フォロー術5」を再編集したものです。
部下が何かを訴えてきた場合、男性はすぐに「結論は何か」と直線的に考えがちです。しかし女性は結論以上に、そこに至るプロセスを大切に考えます。男性上司はまずそうした男女の違いに注意する必要があります。
女性部下の訴えに対応する際のポイントは、なにより「聞く」ことです。コーチングの基本は「積極的傾聴」「共感的理解」「協調的支援」の3要素とされます。まずは部下の口から、「どういう行動が手抜きと思うか」を聞き取ります(積極的傾聴)。このとき、たとえ相手の考えに賛成できなくても、必ず「なるほど、そうなのか」と共感を示してあげる必要があります(共感的理解)。その際に効果的なのが「リピート」「言い換え」「適切な質問」という3つのテクニックです。「○○さんのやり方は手抜きです」と部下の女性が訴えてきたら、「そうか、○○さんは手抜きをしているようなのか」と相手の言葉を繰り返す(リピート)。そして、同じ意味のことを別の言い回しで表現するのです(言い換え)。