「愛嬌のある人を採用したい」

「対照的なのが日本のメーカーで、完璧主義。自分たちがつくる以上は、絶対にクレームを出さないという気概で開発する。倫理観が高いゆえ時間を費やす誠実さ、丁寧さがのんびり型として受け取られかねません」

外国企業が矢継ぎ早に新製品をリリースしていると、「日本は経営判断が遅い」などの批判にさらされやすいが、大きな事故が起これば「やはり日本製品は安心だ」と一気に信用が戻ってくるケースも。のんびり型というと聞こえが悪いが、主体的に丁寧に倫理観を大事にしながら、いいものを生み出そうと仕事に取り組むことは様々な職業にも活かせる強みとも言える。

「最近、面接官と話していると、『結局、お客さんに可愛がられるような、愛嬌のある人を採用したい』という結論に至りやすいんです。スピードだけを追求するなら人工知能に頼ればいいわけで、どんどん機械が人の仕事を代用していく中、最後まで置き換えられないのは、人を気持ちよくさせる人間性や誠意であるような気もします。スピードはビジネスにおいて大切な価値観ですが、今後、時間はかかっても高品質なものをつくったり、人の心を温めるサービスを提供できる人材が、あらためて評価されるかもしれません」

細井智彦
1960年、京都府生まれ。就職・転職コンサルタント。開催した転職希望者向けセミナー参加者は延べ10万人以上。「日本一面接を成功させる男」の呼び名を持つ。
 
(写真=Getty Images)
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