「重要なのは話を聞く能力だ」
2000年8月、6年間の台湾勤務から帰国し、40歳でコンサルティング本部の産業コンサルティング部長になった。野村総研は政策を提言し、業界や個別企業の市場の行方などを分析してきた調査研究の会社。88年の野村コンピュータシステムとの合併後もその事業は続き、台湾へいくまでの9年間は調査研究員の1人として、自動車や建機の業界を担当した。
だが、台北にいた間に、会社は進路を大きく変えていた。バブルの崩壊で企業の活動は停滞し、市場分析などの研究委託は減り、業績が悪化した。そこで、300人近い調査研究員を束ねる幹部が、新市場を切り拓く提案を核とする事業へ軸足を移そうと、コンサルティング本部をつくっていた。
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