「全員で生保を売る」

2003年7月、富山支店長になった。県内にある支社と合わせて営業部隊は約100人。小規模だが、多くの社員が一度はやってみたい「一国一城の主」だ。初の単身赴任ということも加わり、楽しみ半分不安半分で、着任する。人事課長からの転勤で、45歳のときだ。

損害保険ジャパン日本興亜 社長 西澤敬二

支店は駅に近い自社ビル内で、明るい気持ちで扉を開けて第一声を発したが、反応に元気がない。下を向きがちな姿も、目につく。富山は、以前は県内の業界シェアは断トツで、名門支店に数えられていた。だが、10年前から成績の低下が続き、着任の前年度には全国の支店で下から3番目。うつむき加減となるのは、そのためだ。