パナソニックでは、シェーバーはもちろんのこと、頭髪用のバリカン、まゆ毛用シェーバー、鼻毛カッター、腕の毛やすね毛などを処理するボディシェーバーなど、多数のメンズグルーミング製品をそろえている。しかしアンダーヘアに特化した製品はなかった。

海外ではカミソリでそったり、ワックスで脱毛したりする人が多い。しかし日本人、特にある程度以上の年齢の男性の場合は、いきなりつるつるにするのは抵抗があるだろう。ボディトリマーを使えば、適度な長さを残して処理することができる。

「バリカン型の商品は出していますが、ボディトリマーのような『I字シェイプ』だとVIOゾーンの処理がしやすいことが分かっていたので、こういう商品を作って進化させていきたいと考えたのです。世代ごとのニーズや、あるいはその人の好みによって、つるつるにしたい人も、カットしたい人もいるでしょう。体毛を“整える”というニーズに応えたい」(陣内氏)

VIOゾーンの処理のしやすさを考えて、I字シェイプになったという。

需要が読めず、アンケート調査を実施

需要を調べるため、陣内氏は約8000人を対象にネットでアンケート調査を行った。すると20代までの男性で約35.5%、30代男性で約28.7%、40代男性で約22.2%、50代男性でも約12.7%の人が利用意向を示したという。

「日本の人口にこの調査を当てはめたところ、約873万人の男性の需要があるということが分かったのです。20代までの男性が一番高いが、50代でも意外にあるんだという驚きもありました。ターゲット層は『お金を持っている30代、40代男性』といったものではなく、『先進的な考え方の持ち主』で『どちらかというと毛が濃い人』……といったようにデプス調査をしながら徹底的にとがらせていけば、面白いことになるのではないかと考えました」(陣内氏)

前例がない商品だけに、需要を読むのも難しい。Webアンケートの結果に人口分布の数字を掛け合わせて予測を出した。
ユーザーターゲットは「先進的で美意識が高く、自分の体毛が濃いと感じている人」