斬新な体験会を多くのメディアが紹介

筆者は2017年4月に開催された体験会に出席したのだが、正直かなり面食らった。失礼ながら、「パナソニックらしからぬ攻めの姿勢」を感じるような体験会だったからだ。たとえば、股間に植毛した下半身だけの白いマネキンと陣内氏が壇上に登場し、皆が見守る中で毛を刈っていくデモンストレーション。参加した記者や編集者たちをガウンに着替えさせ、個別のブースで自分のアンダーヘアやすね毛を実際に処理してみる体験コーナー……といった具合だ。また登壇者の口から「ギャランドゥ」(アンダーヘアとへそ周囲の毛の境目のような部分の俗称)という言葉が出てくるのも驚きだった。普段、趣向を凝らしたさまざまな家電の発表会に出席し慣れている記者たちも驚いたようで、当日や翌日のSNSにはこの発表会の写真や感想が相当数流れていたほどだ。

発表会には陣内氏が下半身だけのマネキンとともに登場。ボディトリマーで毛を処理する実演を行った。
着替えとブースが用意され、実際にボディトリマーを使って脚の毛を処理してみる体験コーナーも。

メディア向けの発表会以外にも、イベント会場や街中にブースを出して体験会を行い、街ゆく人が実際にボディトリマーを試用できる場を設けた。こうした“とがった”体験会などが功を奏し、新聞や雑誌、ウェブサイトなどさまざまな媒体で取り上げられて大きな話題になったというわけだ。

そもそもパナソニックのグルーミング製品の歴史は長い。筆者も子どもの頃兄弟で「ナショナル」ブランドの電動バリカン「スキカルシリーズ」で親に散髪してもらっていたものだが、腕や足用のボディシェーバーも10年以上前から販売しているという。

2013年にはアイドルタレントの亀梨和也さんをCMキャラクターにボディグルーミングを訴求するプロモーションを実施した。「当時は『メンズシェーバー』と、バリカンをボウズ用にした『ボウズカッター』、『ボディシェーバー』、『ヒゲトリマー』の4モデルを合わせて『全身シャワーグルーミング』という売り出し方をしました。それはそれで盛り上がり、特にボウズカッターは売れたのですが、ボディトリマーはあまり売れませんでした。4つに分けたことで、お客さんにとってイメージがぼけたのかなと思います。その経験を踏まえて、今回はかなり訴求をとがらせたのが大きな違いです」(陣内氏)