――音声コンテンツならではの魅力とは、どのようなものだと思いますか?

radiko代表取締役社長・青木貴博氏

【青木】やはり「想像力」だと思います。映像と比べて、音声のほうが聴き手の想像力を駆り立てます。「音声コンテンツを聴いて想像力を豊かにするのは楽しいことなんだ」と再認識してもらえるようにしたいと思っています。

また、先ほど20代が平日に1時間半ほどSNSを利用していると指摘しましたが、可処分時間の取り合いということだと、音声コンテンツは通勤時間などの移動時間や、待ち合わせなどの隙間時間にも聴きやすいという利点があります。タイムフリーなら「追っかけ再生」ができますので、たとえば、早朝の番組を自分の通勤時間に合わせて聴くことができる。実際、私もそうやって利用しています。特に通勤電車は混雑しているので、画面を見る必要のない音声コンテンツは本当に便利です。

――確かに、朝のラッシュ時は本も新聞も読む余裕がないので、手を使わずに情報を手に入れられる音声コンテンツは便利です。

【青木】そのほか、お風呂につかっている時間だったり、ジムでトレーニングしている時間だったり、料理を作っている時間だったり、“ながら”でもいろいろな楽しみ方があります。しかもタイムフリー機能を使えば、聴き逃した番組を1週間以内ならいつでも聴ける。この記事を読んで、「なるほど、そういう使い方があるのか」と気づいてもらい、周囲にも共有してもらえるとうれしいです。

これから日本にも、Google HomeやAmazon Echoといった人工知能の音声認識にかかわるデバイスが上陸すると噂されています。人がコンピューターと音声でコニュニケーションすることが普通になっていけば、音声に対する距離が近づくはず。そうなったときに音声コンテンツとの距離も縮まり、ラジオの存在感が増すことは十分に期待できます。ラジコを通じ、音声コンテンツがより強くなっていく未来にしていきたいです。

(構成=宮崎智之)
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