雑誌『dancyu(ダンチュウ)』の新編集長・植野広生が、テレビ番組『情熱大陸』に「上陸」しました。番組では、8月号(7月6日発売)の特集「美味東京」をつくる様子を取り上げていたのですが、お店選びの基準について伝えそびれたことがあります。植野編集長は、この特集を企画した際、「当初は『予約が取れる店』特集にしようかと思った」と振り返ります。「予約が取れない店」ではなく「予約が取れる店」にこだわる理由とは――。
冒頭のナポリタンは浅草の「ヨシカミ」
6月25日、私が『dancyu』の編集長として最初の号に取り組む様子がテレビ番組『情熱大陸』(毎日放送)で取り上げられた。ご覧いただいた方には、断片的とはいえ、食の雑誌づくりがどのようなものか、おわかりいただけたかもしれない(少なくとも、とにかく食べ回る仕事だということはご理解いただけたと思う)。
それにしてもテレビはすごい。放送が始まるや否や、様々な方からのメッセージが続々と届き、何十年もご無沙汰だった友人から連絡も来た。一番驚いたのは、翌日、編集部に電話がかかってきて「植野さんが背負っていた赤いリュックはどこで買えるのでしょうか?」という問い合わせがあったこと。視聴者は細かいところまで観ているものだと妙に感心してしまった。
番組内容にも多くの反響をいただいたが、冒頭のナポリタンを食べるシーン(粉チーズをフォークにかけてからスパゲッティを巻きつける「インサイド」、スパゲッティを巻いてから粉チーズをかける「アウトサイド」を使い分ける植野流の食べ方をご披露)に反応した方が多かったようで、「あれはどこの店ですか?」という問い合わせも多数。ナポリタン好き、洋食好きならおわかりだと思うが、“うますぎて申し訳ないス!”のキャッチフレーズでお馴染み、東京・浅草の「ヨシカミ」である。
さて、番組で密着取材されたdancyu8月号(7月6日発売)の特集は「美味東京」。編集長として初めて担当する号でなぜ東京特集なのか。密着取材中にも何度も聞かれたが、理由はdancyuが新たなスタートを切るにあたり、世界一の美食の街、そして世界の食が集約された東京の「本物の美味しさ」を、まず見直してみたかったからだ。