しかも、それだけではすまない。

「当然、過去に遡って支払調書や銀行口座などを調べられます。次から次へとホコリが出る、という事態にもなりかねません」(税理士・高山弥生氏)

一方、先に挙げた「20万円以下なら申告しなくてもOK」というのは所得税の話。住民税については市区町村に申告する必要がある。

「これまでは、所得税が無申告だと、その分の住民税は実質的に取れないケースが多々ありました。しかしマイナンバーによって、しっかりと徴収される可能性が高くなります」(同)

納税者としては、無駄に税金を支払わない知恵も必要だ。

「講演料や原稿料などの雑所得は、経費を差し引いた金額が課税対象となります。交通費や書籍などの資料代、文具代など、かかった費用もしっかり申告しないと損をします」(同)

高山弥生
税理士。一般企業に就職後、税理士事務所へ。試験組と国税OB税理士という師匠を得て、恵まれた環境で税理士業務を学ぶ。宅建、CFPの資格も有し税金だけにとどまらない、お客様の家族全員が幸せになれるアドバイスを心がけている。
 
【関連記事】
株で利益、「特定口座」利用なら確定申告は不要か
マイナンバーで摘発 「社会保険料未納」75万社倒産の“流れ弾”
マイナンバー導入後、勤め先への「副業バレ」を防ぐ方法はあるか
災害や盗難にあったら税金が安くなる「雑損控除」とは?
スーツ代もOK!? サラリーマンの「経費扱い」はどこまで拡がるか