4~5月が教室内「カースト決定」の時期

この序列は「こと細やかに画一的な集団行動を押し付ける」というわが国の教育制度により一層、強固なものにされていると私は思う。

こうした格付けに対して、どこの位置に所属認定がされようとも全く意に介さないというお子さんは除外である。それはそれで、とても賢明な生き方なのだ。

しかし、問題はこの格付けに「強烈な違和感」を持つケースだ。

大昔からどの国でも、どの学校でもあるものだと言われれば、そのとおりかもしれない。ただ、今の子どもたちが昔よりも可哀そうだなぁと思うのはSNSなどの発達で、24時間、そうした格付けされた世界から抜け出すことができないことだ。ネットの普及は、子どもたちを逆説的に、あまりにも狭い「リアル空間」に閉じ込めてしまっている。

一般的には4月から5月までがポジション取りの季節であり、つまりは「カースト決定」を意味するのであるが、これは恐ろしいことに1年間はほぼその位置で固定化される。よほどのことが起こらない限り、下克上のような動きはなく、しかも気を抜くと下がるというリスクを常に抱えているのだ。

格付け社会からリタイアしてしまった自称「大人」から見れば、「実にくだらない」であるとか「他人からどう見られるかで行動するな!」であるとか、「空気を読んで行動することに意味があるのか?」といった感想になりがちではある。

しかし、「学校からのリタイア」について「人生詰んだ」という発想でとらえる親子は少なくない。そうした家庭環境である場合、子どもたちは行くも戻るもままならず、その生きづらさに悶々としているのである。

この時期、元気をなくしてしまった子どもたちの多くは「教室内のポジション取り」に失敗してしまった、あるいは決まったキャラクターを演じることが苦痛という理由で凹んでいるのだと思われる。

これは哀しいことに親にどうこうできる問題ではないが、わが子の日常では、上記のような凄まじいポジション争いが繰り広げられているのかもしれないと認識できていれば、わが子への接し方にも違いが出てくる。

親としては、新しい環境はストレスフルである、ということ理解した上で、淡々と日常生活のサポートをしてあげることが一番なのだ。

特に子どもと接する時間が長くなりやすい母親がこのポイントを誤ると、子どもの自尊心を低下させ、対人恐怖の度合いを一気に押し上げてしまう。以下、接し方のポイントを挙げてみよう。