タマホームの森林ツアーに参加してみた

2017年2月4日、タマホームは宮崎県森林組合連合会と共同で、花粉症対策苗木植樹祭を開催した。これは、同社宮崎支店の森林ツアーに組み込まれた催しで、花粉症対策苗木の植林体験を同社の森林ツアーで初めて盛り込んだものである。

森林ツアーで植樹体験も。

宮崎県は、2015年にスギ素材(丸太)生産量25年連続日本一を記録した、スギ生産の一大拠点である。農林水産省が発表している「木材統計」によれば、2015年のスギ素材生産量は全国で1122万6000立方メートル。そのうち宮崎県は163万8000立方メートルで、およそ15%の生産量を占めている。現時点では2016年分の「木材統計」が発表されていないので断言はできないが、2015年で生産量2位の秋田県との差を考えると、宮崎県は2016年も生産量日本一になると想定される。

伝統的に、スギの生産が盛んだった宮崎県。樹脂分を多く含み、弾力性を備えていることが特徴のオビスギ(宮崎スギ)は、古くから船の材料(弁甲材)として珍重され、江戸時代以降は同地域における林業経営の主要品種として大切に育てられてきたという。現在、船の素材はプラスチックなどに置き換わってしまったが、宮崎のスギは住宅向けの構造材として確たる地位を築いており、いわばブランド木材のような存在となっている。

そんな宮崎県の活気ある林業現場を体験しようと、記者も前述の森林ツアーに同行してみた。ツアーに参加するのは「これからタマホームでお家を建てようかと検討されているお客さまや、間もなく建築に入るお客さまが中心となります」と同社広報。家族で参加する人が大半で、子ども連れも多い。

ツアーの内容は、スギの伐採現場や花粉症対策苗木の育苗施設見学、花粉症対策苗木の植樹体験ができる植樹祭、プレカット工場(建築資材を現場施工前に切断・加工する工場)の見学など、なかなか盛りだくさん。伐採現場や植樹現場に入るには山林を歩くことになるので、ちょっとしたハイキング気分も味わえる。

植樹祭では、宮崎県職員による子ども向けの林業に関するレクチャーもあり、体験学習的な要素も採り入れられている。記者は日ごろの運動不足がたたって、現場に到着するころには激しく息が上がってしまったが、子どもたちは元気よく斜面をのぼり、楽しそうに植樹している姿が印象的だった。単にエンドユーザーへのサービスとしてだけでなく、林業への理解を深めてもらい、木造住宅の価値や環境への意識を啓蒙する意味でも、非常に意義深い取り組みであることが実感できた。

タマホームでは今後も花粉症対策に関わる取り組みを推進していく予定であるとし、大分や宮崎のように自治体、森林組合とのコラボレーションや協定の締結、全国各地での森林ツアー開催など、積極的に展開していくという。

木を植え、育み、伐採し、また植える……という林業のサイクルは数十年のスパンで動くもの。そのため、花粉症対策は長期的な取り組みとなる。翻って、短期的にはその効果が見えづらいのも確かで、現時点での国の施策がどのような結果になるかは未知数な部分も少なくない。それでも、花粉症対策苗木を軸にした社会や自然環境への取り組みを、業界に先んずる形で意欲的に展開するタマホームのような企業の存在は、評価に値するのではないだろうか。

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