去年からの5年間は「復興・創生期間」
――今後の復興の課題や問題点には、どのようなものがありますか。
政府は、震災発生から5年間を「集中復興期間」として、去年から今後の5年間を「復興・創生期間」と位置づけています。この10年間は、基本的には政府が前面に出て、財政支援などをします。2017年3月11日を迎え、残るのは4年間となります。今後は、被災地とほかの地域の意識の差をより強く感じるようになるのではないか、と私は思っているのです。
例えば、被災地の自治体職員がほかの地域の自治体の職員などから、「災害復旧で道路をあらたにつくったから、よかったですね」などと言われるようになるのではないか。
つまりは、「焼け太り」と言われるのではないか。被災地からすると、地震や津波で破壊された道路や橋、堤防、防潮堤などをもとに戻しただけなのですが、そのように見られるのではないかと気がかりです。
6年という月日が流れ、意識の風化が進んでいるから、やむを得ないのかもしれませんが……。時間の経過とともに、人は様々な思いを持つようになるのだろうと今、あらためて感じています。
(吉田典史=取材・構成)