DeNA「WELQ(ウェルク)」問題と、ワルの“類似点”

ネット検索で出てきた広告や上位にあがる情報は、安心なサイト情報と思っているかもしれない。そこには、「たくさんの人が見ているから」という思いがあるからかもしれない。だが、検索の上位に出てきた情報だから、正確で安心なものというわけではない。

これに関しては先日発覚した、DeNAの「WELQ(ウェルク)」の問題がいい教材となる。WELQは医療・健康情報のサイトでありながら、「肩こりは霊によって起こされる」といった、とんでもない情報を載せたり、勝手に別の医療関連のサイトからコピーした健康法や病気への対処法を載せたりしていた。ご存知のように、このサイトの記事はすべて配信停止に追い込まれた。

この一件でわかるのは、「入口と出口の関係性」だろう。

私は、しばしば詐欺と思しきサイトを訪れているが、得てして、そうした業者は、入口に人々を引き付けるような甘い文句を散りばめて、訪れさせようとする。実際にサイトを覗いてみると、意外とページの作りはすばらしい。

しかし、その中身がひどい。

ある詐欺サイトでは、どこかのサイトの情報を盗み、許可も得ないまま第三者に著作権のある写真や資料を貼り付けている。その業者に電話をしてみると、ウソばかりをついて、こちらを騙す行為ばかりを繰り返してくる。サイトからの出口には、ひどい結果が待っている。

こうしたワルの手口では、入口(期待)と出口(満足)がイコールになっていない。はっきり言って、マイナスである。本来、期待してサイトに入った以上の情報内容を訪問者に与えるべきだろう。そうでなければ、人は落胆し、騙されたと思うものだ。

WELQ問題も構造は同じだ。人は健康に関心がある。病気や体調不良となれば、その原因や解決法を知りたいと思う。そうした気持ちにつけこむように、検索されやすいワードを記事などに組み込み、検索上位に来るように“操作”して、人々をサイトに引き寄せていた。しかし、その情報内容たるや、ひどいものであった。厳しい言い方だが、WELQのやり方は詐欺商法が使う手口に近しい行為だと言わざるを得ない。