検索上位の「無料相談」に電話したらどうなるか?

私が監修したあるテレビ番組で、出演していたお笑い芸人さんに、検索の上位に挙がっていた無料相談を受けつけるサイトに電話をかけてもらったことがある。

芸人さんが「有料サイトの料金請求メールが来ている」と相談すると、電話の主は「それは、心配で大変でしょう」と丁寧な対応をしながら、次のように話した。

「当社では、特殊なコンピュータ技術を持っていて、架空請求のメールを来させないようにすることができる」

その解決金額を尋ねると、5万円ほどになるという。

「どうやって解決するのか」と芸人さんが聞くと、「当社では、トラブルの解決を何千件もしてきたノウハウがあるので、大丈夫だ」というばかりで、具体的なことは話さない。

そこで、私が電話に出ることにした。

「どのようにしてメールを来させないようにするのですか!」
「それは言えません」
「5万円払って、どうするのか、教えなさいよ」

しつこく尋ねても、男は「企業秘密です」「ある特殊な技術がある」を繰り返すばかり。

「何もしないで、お金だけを取るつもりだから、言えないのでしょう!」

5万円とは、時給1000円で10時間も働いた金額×5日分である。それをわけのわからないところに払えるはずもない。こんな詐欺行為はやめなさいという思いを込めて、「きちんとした説明をできないところは、信頼に足るところではありません。お金など払えるはずもないでしょう」と怒鳴るように言って、ガチャンと切った。   

ワルたちはネット利用者たちが、トラブルをネットで調べて自己解決しようとするという行動パターンを熟知しており、キーワード検索で先のような業者のリンク先に、アクセスさせるように仕向けている。

実際に、全国の消費者センターには、ネット検索で出てきた、相談窓口に電話をしてトラブルに遭う報告が多く寄せられており、年々増加している。相談には「消費者センター」に依頼したつもりが、相手が探偵業者だったというものや、調査しかしないのに、「契約すれば請求が止まる」「返金される」と誤解させてくるケース、また、キャンセルをしたら高額な解約手数料を請求されたというケースまである。