「農業の若い担い手はいま、規模を拡大して効率的な経営をしたいという思いを強く持っています。しかし、以前は広大な圃場の性格を把握して的確な施策を打つには、経験と勘が必要でした。圃場のデータを『見える化』できれば、ブランド化できるようなよい米を、誰もが均一に収穫できるようにもなる」
また、農機そのもののICT化が進むことで、熟練者でも難しかった作業も容易になる。同社ではGPSを利用し、2~3cmの精度での自動運転が可能になるトラクタを、2018年の発売を目指し開発中だ。
薬剤を撒くドローンが飛び、無人の農機が動く。その管理を農家が手元のタブレット端末で行う――。そんな風景がみられる日も、そう遠くはないと飯田さんは話す。
「データ農業とロボット農機が連携することで、ある土地条件の農地で利益を得るために、どれだけの人とコストが必要かを分析して提示することも可能になるでしょう。スマート農機を使ったKSASのようなソリューションを進化させることは、人手不足の解消だけではなく、農業への参入障壁を下げることにも繋がるはずです」
(永井 浩、森本真哉=撮影(人物)AFLO=写真)