グーグルとネットスケープの違い
このLEAPフレームが当てはまる典型的な企業の筆頭はグーグル(ランキング対象外・2位相当)です。創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンと、後からやって来たエリック・シュミットの3人体制が、元気でやんちゃな部分と、それを仕組みにして動かす部分をうまく回している。創業者とプロ経営者がうまくコラボレーションしているんです。
グーグルのすごさは確固たる志をトップが持ち続けていることです。同じIT企業でも、もう今はありませんが、一世を風靡したネットスケープとのそこが大きな違いです。
私は1994年、インターネットが爆発的ブームを迎える直前、社長に会ったことがあります。ネットスケープはインターネットブラウザを提供する企業で、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
社長に、「あなたの志は何ですか」と聞いたところ、こう答えたんです。「志など下手に持っていたら、やっていけませんよ。この業界は変化が早く何しろ2年先も見えませんから」と。そうしたら、何と2年後にネットスケープは潰れてしまいました。
それに対してグーグルのラリー・ペイジと話すと、まったく違う。彼とも会って話したことがあるんですが、世界を総デジタル化することで、世界を変えて見せるという壮大な志を語ってくれました。
これを組織にしっかり植え付けることをやったのが、エリック・シュミットです。創業者の純粋な志が、企業の大義(Purpose)に変わっていったわけです。