本書の中では名和高司教授が独自の尺度で評価したグローバル企業のランキングが掲載されている。前回(http://president.jp/articles/-/20575)に引き続き、成長を続けられる企業の条件から個人はどんな働き方をすべきかを聞いた。

成長企業はLEAPで説明できる

この今回ランクインした100社は2つの共通特性を持っています。

ひとつは「堅牢である」「しぶとい」「ぶれない」といった静的(スタティック)な特性であり、もうひとつは、「変容性がある」「身軽である」「融通無碍」といった動的(ダイナミック)な特性です。

これらは二律背反の関係にあり、その間でもがき、葛藤することが、成長のバネとなっていると考えます。

本書ではこれらの共通項を4つの側面からとらえ、フレームワークに落としました。

名付けて、「LEAP(リープ)モデル」です(本書82Pの図参照)。Lはビジネスモデル、Eはコア・コンピタンス(組織力)、Aは企業DNA、Pは志を表わします。

Lとは無駄のない低コスト体質(Lean)でありながら、周囲をうまく活用できる梃子(Leverage)の原理をうまく使うビジネスモデルを持っていることを表します。

Eは他社が真似できない一芸としての尖り(Edge)を持ちながら、そこに安住せず、ずらし(Extension)の力を持っていることを意味します。

企業DNAを示すAは、偏執狂のようなこだわり(Addictive)を有しつつ、世の中の変化に応じた適応力(Adaptive)もあわせ持つことを表わします。

最後、志を示すPは、企業としての大義(Purpose)を保持し、その大義を片方の足で踏みしめながら、もう片方の足で一歩踏み出すピボット(Pivot)の動きができることを示しています。