若き日のブッダは、生老病死に世の無常を感じて出家した。著者は、大検を経て東大法学部卒業。政策シンクタンクに籍を置いたものの「このままでは何かを失う」という気がして35歳でインドにおもむき、得度する。

草薙龍瞬(くさなぎ・りゅうしゅん)
僧侶。興道の里代表。1969年奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。政策シンクタンクなどで働きながら、インドで得度出家。ミャンマー国立仏教大学に留学。著書に『反応しない練習』など。

「ナーグプルという都市でアウトカースト(不可触民)の子供たちの食事の世話をしました。一介の僧で、お金も力もない私は『この子が幸せでありますように』と念じながらカレーをよそいます。そのときに、生まれて初めてやすらぎを感じたのです」

(永井 浩=撮影)
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