悩みや苦しみを和らげるために生まれた仏教。ビジネスマンの代表的な悩みである「人間関係」について、徳雄山建功寺の枡野俊明住職にお話をうかがった。

ビジネスマンの最大の悩みは「人間関係」と、あるアンケートにありました。社内の上司、同僚、部下、そして取引先といろんな付き合いがありますが、どこかで「できる人と思われたい」「いい人と思われたい」というのはありませんか? 本来の自分よりプラスα、高く相手に思われたいと思っている人が多いのが、現代の特徴です。

建功寺住職 枡野俊明氏●1953年、神奈川県生まれ。玉川大学農学部卒業後、大本山總持寺で修行。庭園デザイナーとしても評価が高い。多摩美術大学教授。

禅では<露堂々(ろどうどう)>といいますが、自分以上でも以下でもない、ありのままの自分でお付き合いをすべきなのです。もちろん、自らよくありたいと思い行動するのはいいことですが、人からよく見られたいという意識があると、無理を招き疲れてしまうのです。