――銀行から証券へ。現在感じている課題は何か。

【清水】現状では、本部が肥大化しすぎている。前線に出る戦士よりも後方部隊が多いようでは、勝てる組織はつくれない。そこで、かつての「営業の日興」を取り戻すべく、リテールの営業スタッフを大幅に増員する。2019年3月までに、約1.5倍の3200人に増やす。

海外戦略も強化する。ニューヨークに、M&Aに特化した投資銀行グループを立ち上げた。得意な地域・分野・商品に絞ってドミナント戦略を進め、勝てる領域を増やしていく。

――長期でのミッションは。

【清水】資本主義経済下では、業界1位、もしくは1位と同等に戦える組織しか生き残れない。グループのエンジンになるべく最強の証券会社をつくる。

SMBC日興証券代表取締役社長 清水喜彦
1955年生まれ、山梨県出身。1978年早稲田大学商学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)へ入行。常務執行役員法人企業統括部長、取締役副会長などを経て、2015年6月SMBC日興証券顧問、9月代表取締役副社長。16年4月より代表取締役社長。

出身高校:山梨県立甲府第一高校
長く在籍した部門:法人営業部門
座右の書(または最近読んだ本):『孫子』
座右の銘:宝蔵自開/受用如意
趣味:城の研究

(玉寄麻衣=構成 大槻純一=撮影)
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