中国景気の減速懸念や英国のEU離脱決定、為替の急激な変動など、厳しい経営環境が続く。新しくトップに就任した男たちは、この逆境にどう立ち向かうのか。

鬼軍曹が大号令、「営業の日興」復活へ

長期のマイナス金利、イギリスのEU離脱による市場の不透明さ、フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)の徹底など、取り巻く環境の変化が激しい証券業界。預かり資産国内3位のSMBC日興証券が、新社長のもと、攻めの戦略に転じている。
――社長に選ばれた理由は。
SMBC日興証券代表取締役社長 清水喜彦氏

【清水】現在を経済環境が激変する“乱世”と捉えている。乱世には、決断力のある人間がトップに立つ必要がある。奥(正之、現SMFG会長)さんからは「おまえはスピードがあって、決めるところは決める」と送り出された。

これまで取引先はもちろん、上司、同僚、部下と、「人」に恵まれてきた。「清水には、秘書の仕事は絶対にできない」とよく言われる(笑)。猪突猛進な私をフォローしてくれる部下たちのおかげで、いまの私があると思っている。