人間関係を構築するうえで、成功者とそうでない人はどこがどう違うのか。それがわかれば、成功への道のりも見えてくるというものだ。世界中のVIP1000人以上に取材を重ねてきたジャーナリスト・谷本有香さんにお話を聞いた。
ファンがいないとトップにはなれない
本当に「成功している人」というのは、ただ単に仕事ができる人でもなければ、巨万の富を築いた人でもありません。人格者であり、なおかつ冷静にビジネスを展開できる、両輪のバランスの取れた人のことです。彼らを見ていると、まわりに愛される人物でなければトップに上り詰めることはできないということがよくわかります。(ビジネス上の)敵がどれほど多くても、それを上回るファンがサポートしてくれるのです。
「人格者」として思い浮かぶのは、ハーバード大のマイケル・サンデル教授です。「もう一問、もう一問!」と食い下がる私に対して、忙しいなか、何とかインタビュー時間を割こうと努力してくれました。ビジネス外の質問に気さくに答えてくださる態度も、愛されるトップの特徴です。
サンデル教授もそうですが、イギリスのブレア元首相にインタビューしたときも「お寿司は食べたけど、○○は食べられなかった。おすすめはある?」など、会話のキャッチボールをしようとするフレンドリーさを感じました。あれだけの要人なので、ぴったりSPに張り付かれてのインタビューでしたが、お人柄に触れてホッとしたのを覚えています。
チャームポイントは少年っぽい壮大な夢
「具体的で大きな夢を語れる」というのも、成功者が愛される理由のひとつ。たとえばソフトバンクの孫正義さんは、300年先のテクノロジーを見据えたビジョンを持っていて、それをまったくブレずに保ち続けています。夢にかける信念の強さでいえば、日本で右に出る人はいないのではないでしょうか。すると、必ずその夢に魅せられて、「自分も協力したい」という人が現れます。情報も集まります。300年先のことは誰にもわからないわけですが、ある意味「その夢に乗っかりたい」と願う人たちが出てくるのです。