農家はメーカーです

――仮にマーケットから白くて太いネギを作ってほしいと言われて、売値が合えば作りますか。将来的にレタスがマーケットのニーズに合わなくなれば、変えますか。

【鈴木】はい。変えますね。農家はメーカーです。自分が作りたいものを作っているうちはメーカーではないです。単なる受注発注制ではメーカーではない。メーカーである以上、自分たちの商品は自信を持って出さなきゃならない。注文と違うものを納めたら、否定されます。

――見込み生産ではなく、受注生産だ、と。

【鈴木】そうですね。僕は、メーカー小売り希望価格で出しています。これでなければうちの採算は合わないって。ただ、一度に200ケース買ってくれるなら、少し、おまけしてもいい。それが農家のありかたになっていくんじゃないでしょうか。自信は大切ですよ。

――よくわかりました。では、生産上の課題は何でしょうか。

【鈴木】そうですね。品種のすべてを種苗メーカーに握られているということが、一番のリスクかな。種をずっと買い続けなければいけないというのが課題です。だから、小さくても種子会社は立ち上げたいですね。他の種苗メーカーさんとのジョイントベンチャーでもいいから、レタスの自分たちだけの品種は作ってみたい。