お盆で帰省したときに、親戚の集まりがありました。従姉の子どもが「遊んで」と近づいてきます。そうしてサッカーボールで遊んでいると、30分も経たないうちに「飽きた」と訴えてきました。「将来はプロサッカー選手になりたい」と言っていたはずなのに。この子は、ひとつの道を極めることができるのだろうか……。いらぬ心配をしながら、子どもと陽が落ちるまで遊び続けたことを、今号の取材を終えて思い出しました。

PRESIDENT 2016年10.3号「毎日が楽しくなる脳内革命」

超一流の人は、みな対象に没頭しています。「そのことが好き、興味がある」ことを大前提にしても、飽きずにひとつのことを何十年間も続けている。何か長く続けるためのコツはあるのか、習慣づけていることはあるのか。素朴な疑問を持ちながら、今回、医学博士の石川善樹さん同行のもと、各界のトップランナーを取材しました。

象徴的だったのが、棋士の佐藤天彦さんの取り組みです。佐藤さんは、今年5月の名人戦で羽生善治さんを下し、初タイトルを奪取。名人戦で集中力を発揮するために心がけたことを聞くと、こう答えました。

「自分で興味が持てないことには集中できません。途中で楽しめなくなるか、飽きてしまって集中力が切れてしまう。だから名人戦では、『憧れの人と大舞台で指せる』というやり甲斐にフォーカスしました」

興味が持てない場合はどうすればいいのか? 佐藤さんはこう続けます。

「『近距離』『俯瞰』という2つの視点を持つようにもしています。近距離で見るとすごく苦しいことでも、少し離れた視点で人生全体のイベントとして捉えると、面白さが出てくる」

佐藤さんの話を受けて、石川さんが「なるほど」と納得した様子で、分析します。

「佐藤さんはストレスをワクワクに変える習慣づけをしています。結局、ずっと何かをやり続けるには、そういうことができないと嫌になってしまう。それは……」

詳しくは9月26日発売号「各界の超一流が実践、18の仕事習慣」に収録しました。そのほか、ヤオコーの川野澄人社長、漫画家の浦沢直樹さん、建築家の妹島和世さんなどのインタビュー内容に加え、石川さんに超一流の頭の中を分析してもらいました。特集名は「毎日が楽しくなる脳内革命」。ぜひご覧ください。

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