「それはチャレンジングだね」
あなたはある仕事を着手するかしないかを上司に相談したところ、こう言われました。
さて、あなたならどう受け取りますか?
A「難しそうだけどやる価値があるよ、がんばってやりなよ」
B「難しそうだからやめたほうがいいよ」
上司が積極的なイケイケどんどんタイプなら、あなたはAと判断したかもしれません。石橋を叩いても渡らない保守的なタイプなら、Bでしょうか。
「『チャレンジング』は、実は『難しい』の意味しか持たない単語です。人によって解釈があいまいですので、ニュアンスを正確に聞き出したほうがいいでしょう」
と教えてくれたのは、言語学が専門の慶應義塾大学文学部教授の井上逸兵先生です。
「コンセンサス」「ベネフィット」「リベンジ」……。いまの職場にはカタカナ語があふれています。
「チャレンジング」のように定義が曖昧なまま使うと、混乱を招くカタカナ語も少なくありません。井上先生によると、多くの人が考えている意味と、本当の意味がまったく違っている言葉もあり、ビジネスシーンでは安易に使わないほうが賢明な場合もあります。
にもかかわらず、なぜ人は一般的ではないカタカナ語を使いたがるのでしょうか。カタカナ語を使うことによって何か利点はあるのでしょうか。
最新号『「超」ウケる言い方入門』の記事「うっかり使うと赤っ恥『バカに見えるカタカナ語』図鑑」では、井上先生にさまざまなカタカナ語を例に挙げながら、本当の意味から、より賢く見られる言い換えまで解説いただきました。
当号では、ほかにも言い方や口グセにおける24の具体的な悩みに対して、行動経済学、生物学、脳科学、心理学などの各界プロの知恵を結集して、改善するための処方箋を明らかにしました。ぜひご覧ください。