最新号(10月24日発売号)から、小池百合子都知事の新連載「東京ビッグバン」が始まりました。「東京から日本を変える」という「大改革」の狙いと進捗をお伝えしていく連載です。担当編集として、読者の皆さまからの質問も、どんどん小池都知事にぶつけていくつもりです。忌憚のないご意見をお待ちしています。
東京発の「大改革」は、日を追うごとに勢いを増しつつあります。この週末の衆院補選でも、小池都知事が応援演説に入った東京10区・若狭勝氏、福岡6区・鳩山二郎氏が圧勝しました。特に福岡6区では、鳩山氏は自民党の公認を得られず、自民党福岡県連や麻生太郎財務相が別の候補を推薦するなど、「保守分裂」の選挙でした。
鳩山氏の応援演説のため、福岡・久留米市まで駆けつけた小池都知事は、自民党の公認なしで戦った都知事選と重ね合わせて、「だいたい図式は似たようなものです」と述べ、聴衆をわかせたそうです。対立候補の欠点をあげつらうのではなく、応援する候補の挑戦する姿勢を評価する。厭な気持ちになる人はいないでしょう。ニュースキャスター出身である小池都知事の「話し方」は洗練されています。
小池都知事は、女性初の「東京都知事」ですが、女性初の「防衛大臣」でもあります。2007年7月4日に第2代の防衛大臣に抜擢されましたが、わずか55日後の8月27日に防衛事務次官の人事問題をめぐって退任させられてしまいます。その離任式では、このように挨拶しています。
「国家存立の基本にかかる崇高な任を務めることができたことは誠に光栄であり、まさに『女子の本懐』でございました」
この発言は話題になり、『女子の本懐 市ヶ谷の55日』(文春新書)という著書のタイトルにもなりました。さっぱり諦めて、涼やかに立ち去る。そうした潔さには、世論の支持が集まります。大人と子供を分けるのは、感情の統御です。政治でも、ビジネスでも、悔しさや苦しさを表に出してしまう人は、一流にはなれないのでしょう。
8月2日の小池都知事の初登庁では、異例の「出迎え」が話題になりました。通例では各会派の幹事長が新知事を出迎えますが、今回集まった都議は3人だけ。その後の挨拶回りでも、議長室に自民党の川井重勇議長を訪ねたところ、握手や写真撮影を拒まれ、「どうもご苦労さまでした」と早々に退室を促されたのです。
こうした様子はテレビ番組で大きく報じられました。たとえば阿川佐和子さんは、「いかにも大人げないオジさんたちの、あの態度に驚いた」とコメントしています。政策は存分に戦わせるべきですが、表敬に対して不躾な態度をとるべきではありません。「初登庁」というイベントを活用できたのはどちらか。言うまでもないでしょう。
「大改革」は始まったばかりです。現在の追い風をどのように使いこなしていくのか。東京五輪、築地・豊洲の問題はどうなるのか。連載「東京ビッグバン」で、随時お伝えしていきます。ご期待ください。
※小池百合子都知事の新連載「東京ビッグバン」のプレジデントオンラインでの掲載は10月26日を予定しています。