新しいIT環境の導入、同僚とのコミュニケーション、上司とのやり取り、後輩への指導……私たちの職場はストレスで満ちあふれている。年々増えるばかりのストレスとどのようにうまく付き合っていくかで、仕事の質も大きく左右されると言っても過言ではない。
4000名以上のビジネスパーソンをカウンセリングしてきた経験をもつ著者の鈴木雅幸氏は、「一流のビジネスパーソンほど、感情を整えるのが上手」という。しかも5秒という短い時間で整えることが可能なのだ。元トラック運転手の経験を持ち、心理カウンセラーとして活躍する鈴木雅幸氏が、すぐに実践できる「感情の整え方」を伝授する。
大脳にあなたのなりたい姿を学習させる
あなたが自己変革や自己実現を成功させたいと願うのであれば、そのカギはあなたの脳にあります。あなたの大脳に自分のなりたい姿を学習させること。これが何より大切なことであり、また最も効果のある方法です。つまり、あなたの脳内の環境を好転させるのです。
私たちが一般的に心の状態だと認識しているものは、そのほとんどが脳で考えられていることなのです。心の状態は、私たちの大脳がつくりだしていて、心の病気も、脳内の伝達物質の問題だということが、最近解明されてきています。
したがって、脳内をいかに快適な状態に整えるかということは、私たちの人生にとってとても重要なことになります。それでは、脳内のマイナス感情をプラスの感情へと整え、なりたい自分になるためには、どうすればいいのでしょうか。
まず、「肯定的な言葉を口ぐせにする」こと。つまり、普段自分が言葉を口にするとき、意識的にポジティブな言葉を選んで使うようにするというものです。
例えば、「嫌だなあ、ツイていないなあ、疲れるなあ、ダメだなあ、できっこないよ」といったネガティブな言葉を発していると、あなたの脳はそれをそのままインプットして、言葉どおりの状態をさらにつくりだそうとします。
逆に、「好きだなあ、ラッキーだなあ、楽しいなあ、素敵だなあ、簡単だなあ」という具合に、ポジティブな言葉を口に出していると、あなたの脳はその言葉をそのままインプットし、やはり言葉どおりの状態をつくりだそうとします。その結果、本当に好きなことが見つかったり、ツイてることが起きたり、楽しいことや素敵なことが起きるようになります。また、気持ちもそういうふうに変化します。