日焼けシーズン到来。まだまだ、UVクリームも塗らずにゴルフに興じている人々が多いが、けっしてよいことではない。生活習慣病予防に力を入れているのだから、日焼けも生活習慣病と考えて、徹底的に予防すべきである。皮膚の老化ばかりか、皮膚ガンの原因にもなるからだ。オーストラリアでは園児のうちから日焼け対策がしっかりと行われている。

実は、日本でも1998年に母子健康手帳から日光浴の重要性、必要性の記述が削除されている。そのことからもわかるように、日焼けには充分に注意すべきなのである。

その太陽の光で、悪さをするのは紫外線だ。可視光線よりも波長が短く、紫外線の中で波長の長いものからUVA、UVB、UVCがある。ただ、UVCは地表に到達しないので、問題とされるのはUVAとUVBの2つだ。UVAはコラーゲンなどを変性させて皮膚を老化させる。また、UVBは強力なエネルギーを持っており、遺伝子を傷つけて皮膚ガンの原因になってしまう。

この紫外線が最も強いのが6~8月で、標高が100メートルあがるに従って紫外線量は1%増加する。

では、皮膚に紫外線があたると具体的にどのようなことが起こるのだろうか。

◎皮膚に炎症が起こる

これは日焼けのことで、太陽が原因のやけどである。

◎乾燥肌になる

表皮細胞の生まれ変わりが早くなってしまうことから皮膚の水分が失われやすくなる。つまり、乾燥肌になる。

◎シミができる

紫外線から皮膚を守るためにメラニンという色素を分泌し、皮膚が黒くなる。そのときに遺伝子に変異が起きると色素を多くつくり出してしまう。シミである。

◎皮膚の老化

UVAの作用のところで述べた皮膚の老化で、シワの原因にもなる。

◎皮膚ガン、白内障

遺伝子が傷つくと皮膚ガンになり、紫外線が眼に作用すると、タンパク質に変性が起きて白内障に結びつく。

このような紫外線の悪影響を防ぐには、長袖の服や日傘、サングラスを上手に利用するのに加え、こまめにUVクリームを塗る。そのときには、自分自身の皮膚のタイプにピッタリ合ったUVクリームを選択すべきである。

食生活のワンポイント

日焼け予防に力を入れていても、それでも多少の日焼けはするもの。その日焼けした皮膚をしっかり修復するには、抗酸化作用のある食べ物を普段から気をつけて摂ることが大切だ。抗酸化パワーとして知られているのは、ビタミンE、ビタミンC、リコピン、アスタキサンチン、アントシアニンなどである。

●ビタミンE
抗酸化ビタミンの代表で、炎症をより早く抑えてくれる。アーモンド、キウイフルーツ、ピーナツ、レモン、たらこ、いわし、ホウレン草、卵などに多く含まれている。

●ビタミンC
ビタミンEやコラーゲンを修復する。もちろん抗酸化力もある。緑黄色野菜のほか、レモン、いちご、みかんなどに多く含まれている。

●リコピン
赤色色素で知られるリコピンは強い抗酸化力で知られる。トマト、スイカ、柿、ピーマン、アンズなどに多く含まれている。

●アスタキサンチン
カロチノイド色素の中でもビタミンEの1000倍の抗酸化力があるともいわれるのがアスタキサンチン。サケやエビなどの魚介類に多く含まれている。

●アントシアニン
紫色の色素のアントシアニンは、やはり抗酸化力バツグン。ブルーベリー、ぶどう、赤じそ、紫さつまいもなどに多く含まれている。